日々おさしみ

さしみばっかり食べながら、生きてます。

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一人称って難しい

みなさんの一人称はなんですか。
わたしは、「わたし」です。
一人称も男女で使い分けがありますよね。
「僕」「俺」「わたし」「アタシ」「うち」…などなど
自分のことを指す一人称すら、自分を偽るってとってもつらいことだなぁと思います。常に自分にウソをついているような気がしませんか。
今回は、なんでわたしが「わたし」を使うことになったのかをちょっと思い出してみようと思います。

物心ついた時には自分のことを男性だと認識していたけど、初めて性別という壁にぶち当たったのが幼稚園のときだった。
幼稚園の制服がスカートだったので、こりゃぁちょっと変だぞ…と。
なんだかんだ適当理解のある両親だったので、兄のおさがりや似たような紺色の短パンをはいて登園させてもらっていたのだけど、卒園式だけはそれが許されなかった。
まぁ…制服はちゃんと着なきゃね。
今でこそスカートとスラックスが選べるような学校も出てきたけど、当時はGIDという言葉すらない時代なので、仕方ないなとは思う。
卒園式ではみんなが一言ずつ今後の抱負を話すことになっていた。
練習では先生から指示をされる。
「男の子は『ぼくは〇〇です』、女の子は『わたしは〇〇です』といいましょう」

「『わたし』って女っぽい」
と漠然と感じていたから、そのころの一人称は「サシミ」
「わたし」とスカートとだけは一切お付き合いしたくないと思っていたさしみ(5歳)にとっては、もうそりゃぁとってもすっごくショックで受け入れがたいスピーチタイムだった。

家に帰って、おかんに相談。
「『わたし』っていうように言われたけど、いいたくない」

そんなさしみ(5歳)に、せんべいをほおばりテレビを見ながらおかんは言った。
「テレビみてみ。大人の男の人は、自分のことわたしっていうんだよ。
 ほれ、このアナウンサー、わたしって言ったよ。
 『わたし』は女だけじゃない、大人はみんな使うよ。
 大人っぽくてかっこいいでしょ。
 それでもどうしてもいやなら『わたくし』といえばよろしい。
 ますます大人っぽい!!!」


お…おう、そうか、そうかも、かっこいいかも。

卒園式では「わたくし」を採用させてもらったのだけど、おかげで「わたし」というのが恥ずかしくなくなった。

身体が女性であっても「自分は男なんです!!」と自己主張できない気の弱いわたしは、日常生活では当然女性を装っている。
そんなわたしが自分を否定しないで一人称を使えているのは、適当なおかんのおかげ。
とても感謝しているよ、おかーさん。